札幌北野少年少女合唱団(団員50名)が創立30周年を迎えました。30周年記念コンサートを9月21日、かでるホール(札幌市中央区北2条西7丁目)で開催する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で残念ながら延期となりました。

札幌北野少年少女合唱団リモート合唱・中高大学生バージョン

 コロナの影響で、合唱団の練習は2月末から休止したままです。みんなで集まっての合唱はできませんが、団員各自が家で歌った動画を集めて編集し、「リモート合唱」としてYOU TUBE(ユーチューブ)にアップしました。

 曲目は「てをつなごう」。槇原敬之さん作詞作曲の曲で、被災地の子供たちを勇気づけたいという思いで東日本大震災の後に作られ、全国各地で歌い継がれている曲です。

 この曲は30周年記念コンサートの中で歌う予定の曲でした。この歌を練習していた今年2月、コロナの影響で突然、活動を休止しなくてはならなくなり、その後、指導者の室内文先生(北野小学校)が「子供たちの心をつなぎたい」とリモート合唱に取り組んだそうです。

札幌北野少年少女合唱団リモート合唱・小中学生バージョン

 リモート合唱「てをつなごう」は、中高大学生バージョンと小中学生バージョンの2つあります。それぞれクリックしてご覧になってみてください。団員の皆さんの元気な歌声が聞こえてきます。

 札幌北野少年少女合唱団は、子供たちが伸び伸びと元気いっぱいに歌う姿が特徴で、聴いている大人たちも元気をもらえるようなコンサートが好評です。曲目も前向きな歌が多く、コンサートではいつも大きな感動に包まれます。リモート合唱からも、そんな一端が伝わってきます。

北海道少年少女合唱連盟合同演奏会に出場=2020年1月13日、札幌市民ホール

25周年コンサートでミュージカルを上演=2015年10月12日、札幌市教育文化会館大ホール

北野地区青少年音楽のひろばで=2019年12月7日

 札幌北野少年少女合唱団は1990年5月、「北野児童合唱団」という名称で発足しました。団員は北野小学校の児童20名。当時の北野小学校・山下秀三先生が創設しました。現在の室内先生は1993年から指導者を務め、2代目です。
 北野地区青少年育成委員会に母体を置き、スタート時から北野地区の人たちが応援してきた地域の合唱団です。練習は創団時からずうっと北野小学校で、土曜日に行っています。
 活動が広がり、中学生からも「合唱がしたい」という声が出てきたため、名称を今の「札幌北野少年少女合唱団」に改めました。今では小学生から大学生まで団員が広がり、清田区全域、さらに清田区以外の団員もいます。

清田ふれあい区民まつりで=2019年7月27日

ひらおか庭園コンサートに出演=2016年9月10日、平岡樹芸センター

 卒団したOB、OGは様々なジャンルの音楽の活動を続け、教師となり子供たちと音楽を続ける人もいます。毎年のコンサートには、そうしたOB、OGが多く詰めかけます。今の団員は、先輩たちを見て頑張る子が多いそうです。
 この仲間のつながり、人の輪のひろがりは素晴らしいですね。子供たちの人格形成にもいい影響をもたらしていることでしょう。

 また、合唱団は保護者の皆さんの献身的な活動に支えられてきました。他の少年少女合唱団関係者から「北野の保護者とOB、OGは素晴らしい」といつも言われるそうで、これは自慢の一つだそうです。

 30年の間には、全国大会への参加、札幌ドームのファイターズ戦で歌ったことなどいろんなことがありました。昨年は、札幌交響楽団や新国立劇場バレエ団などプロとの共演もありました。素晴らしい実績をつくってきた合唱団です。

札幌北野少年少女合唱団スプリングコンサート=2017年3月26日、かでるホール

 室内先生は「一番大切な時間は、北野小で歌い、笑い、遊び、おやつを食べるその時間です」と言います。「早くまた、そんな時間が戻ってきてほしいと願っています」

 合唱が再開できれば、必ず30周年記念コンサートを開催したい―札幌北野少年少女合唱団の願いです。

「ひろまある清田」より転載